え?検査機関の手続きに時間が...
2026.09.24
地鎮祭を終え、いよいよ工事着手へ。
そう思っていた7月中旬、施主様が依頼された一級建築士から連絡がありました。
「検査機関の手続きに、少し時間がかかりそうです...」
え?
地鎮祭も終わりました。
省エネ基準の適合も済んでいます。
7月中旬には、いよいよ工事に入る予定だったはずでは……。
思わず心の中で、そんな声が漏れました。
話を伺うと、2025年4月1日に施行された建築基準法改正により、
設計の現場も、検査機関の現場も、かなり混乱しているようです。
まいったな...正直、そんな気持ちです。
今回の改正では、建築確認申請の手続き、省エネ基準への適合義務化、
そして構造関係規定の見直しなど、住宅実務に関わる大きな変更が重なっています。
たとえば、
・ 建築確認申請の見直し
・ 省エネ基準適合義務化
・ 壁量基準の見直し
・ 準耐力壁の取り扱いの変更
・ 筋かいの対象拡大
・ 柱の小径の基準見直し
・ 基礎の基準見直し
などです。
言葉だけ並べると、少し専門的で難しく感じます。
けれど、要するに今の住宅には、以前よりも高い断熱性や省エネ性能、
そして災害に備えた安全性が求められるようになってきた、ということなのだと思います。
そのため、設計する側も、審査する側も、
これまでの感覚だけでは進められない部分が増えているのでしょう。
どうやら今回は、構造計算に関する認識の違いがあり、
検査機関とのすり合わせに時間がかかっているとのことでした。
施主様も建築士でいらっしゃるため、状況はよくご理解されています。
施主様がご納得されているのであれば、こちらとしては、ひたすら我慢。
我慢、我慢。
とはいえ、現場を預かる立場としては、やはり気になります。
いつ着工できるのか。
工程はどのくらい後ろにずれるのか。
職人さんの段取りはどうするのか。
資材の手配に影響は出ないのか。
頭の中では、いろいろな予定表が行ったり来たりします。
実際、当社のお得意先である工務店様からも、
昨年から確認申請がなかなか進まず、
工期が3か月から6か月ほど延びているという話をちらほら耳にします。
今回だけが特別というわけではなく、
業界全体が新しい制度に慣れていく途中なのかもしれません。
窓の外の強い雨にガザニアの花は、首を長くしてしなやかにやり過ごしています。
雨のしずくをまとった白と黄色がとても爽やかだな~って。
自分も首を長くしてガザニアのように気持ちをゆるりとしなければ...。

と言いつつも、それでも、自分の首が毎日毎日、勝手に少しずつ伸びてきて、
このまま待ちすぎて、ろくろ首になってしまいそうです。
妖怪ポストに手紙を入れて、ゲゲゲの鬼太郎に退治してもらいたいくらいです(笑)。
もちろん、制度改正そのものはとても大事だと思っています。
最近の地震の多発や、経験したことのないような大雨を見ていると、
自然災害はこれまでのものさしでは測れないところまで来ているように感じます。
日本は地震大国です。
そこに、地球温暖化による急激な気候変動も重なっています。
これからの住宅には、今まで以上に、安心・安全への想像力が求められるのでしょう。
「たぶん大丈夫」ではなく、「ここまで確認したから大丈夫」と言える家づくり。
そのために、検査機関の審査が一つひとつ慎重に進められていることも納得しています。
工事をする側からすれば、待ち時間は正直つらいものです。
でも、その厳しさが、これからの防災への強固な砦になるのだと願っています。
思えば、大工る!の新築でも、第三者現場監査を導入することにしました。
職人の腕を信じること。それはもちろん大切です。
けれど、それだけではなく、
見えなくなる工程を第三者の目で確認し、記録として残していくこと。
その必要性を、今回の制度改正や審査の遅れを通して、改めて感じています。
基礎、構造、防水、断熱。
家づくりには、完成後には見えなくなる大切な部分がたくさんあります。
見えないところを、見えるうちに確認する。
当たり前のようで、これほど大切なことはありません。
今日はシルバーウィークの初日。
10月後半までには、多分、審査が完了し工事着手できそうだとの報告があり、
少し胸をなで下ろしています。
長く伸びかけた首も、なんとか元に戻りそうです(笑)
少し仕事の手を休めて、コーヒーブレイク。
空、春、海は、こちらの心配などどこ吹く風。
朝食後から、静かに寝入っています。

外では、また台風の気配が気になります。
どうか、この台風で新たな被害が出ませんように。
そして、少し遅れてしまったこの家づくりも、無事に、丁寧に、良い形で始められますように。
焦らず、腐らず、でも気を抜かず。
そんな気持ちで、着工の日を待ちたいと思います。
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