母と自分のバリアフリー
2026.05.24
母が米寿になる一年前くらいだったので、もう三年ほど前になると思いますが、
昔ながらのタイル浴室に「TOTO 浴室すのこ〈カラリ床〉」と
浴槽手すりの「安寿」、そして浴槽の入り口には浴室用の手すりを設置しました。
それまでは、風呂場のタイル床と脱衣室との段差が約15cmあり、さらに浴槽の縁の高さも約40cm。
これらが転倒事故につながりやすい状況でもありました。
取付け当時、母は「まだそんな歳じゃない」と少し抵抗気味。
私も「そうなの?」と気持ちを押され気味でしたが、
「まあ、嫌だったら取り外せばいいよ」と同意を取り、なんとか設置したのを覚えています。
実は、自分の中でも少し葛藤がありました。
というのも、税理士会の成年後見指導者養成研修を受講していたこともあり、
その時に得た知識から、現状を整理すると、母にはしっかりした判断能力があるにもかかわらず、
年齢だけを理由に「あれも危ない、これも」と受け身になり過ぎるのではないか。
また、浴室のバリアフリー化は、高齢の母が入浴時に本来使っている体力や緊張感を奪い、
結果として老いを早めてしまうのではないか――そんなことも考えていたからです。
バリアフリーは大事だけれど、現在ある自分の筋力や体力を道具によって楽にし過ぎることが、本当に良いことなのか。
そんな疑問が頭の片隅にありました。
結論から言うと、浴室での転倒事故によって寝たきりになり、その後の人生をベッドの上で過ごすことを思えば、
やはり年齢に応じて、少し早めに転ばぬ先の杖として適切に道具を導入していくことは必要なのだと、今は感じています。
ところがです。
実際には、母よりも恩恵を受けているのは、自分の方ではないかと思うようになりました。
高血圧で治療を受け、体重も許容量オーバーのBMIダメダメな日々を送っている自分にとって、
日常生活そのものが、少しずつ“膝、足腰との相談”になってきていますのでね(笑)。

冬場、浴室の床は冷たくないし、脱衣所との段差もなくなって楽に浴室へ入れる。
さらに、浴槽に入る時にも手すりがあることで、安心感がまるで違います。
「高齢の母のため」というつもりで設置したのに、実は自分自身の“対策”にもなっていたわけですね(笑)。
一方で、母も卒寿となりましたが、現在のようにちょっと環境を整えていることで、
むしろ『入浴』という行為を一人で無理なくこなせているように思います。
一方、ものぐさな自分にとって問題となっているのが「カラリ床」の掃除でしょうか。
それなりに重く、春先からカビが気になり始めると、「よし、今日はやるぞ」と覚悟が必要になります。
昨年は、防カビ対策として「ゴシット パワーバイオ」と「ファブリーズ お風呂用防カビ剤」を導入。
清掃回数を減らす工夫をしてみました。

「ゴシット パワーバイオ」は交換目安が6か月ということで、とにかく放置気味(笑)。
「カラリ床」の裏側に二つほど設置しているおかげか、
カビの発生はかなり抑えられているように感じています。
それでも、これから梅雨に向かう前には、
一度カラリ床を外してしっかり掃除しないといけません。
……でも、やっぱり腰が重いんだよなぁ(笑)。
年齢を重ねると、免疫力も落ちてくるし、
「健康でいられる時間」と「掃除にかかる時間」の損得も、ちゃんと計算しなくちゃね、って
声が聞こえるのも自分が高齢のせいかな(笑)。
結局、当たり前のように健康で暮らせること自体が、実はとても贅沢なこと。
特に年齢を重ねるほど、そんなふうに感じます。

