電球色は昭和の香り 1
2026.06.19
電球色は昭和の香り
(昭和の癒やしの香りに満たされたい)
先月、自宅の照明を蛍光灯からLEDへ交換しました。
きっかけは単純です。
築40年を超えた我が家では、いくつかの蛍光灯から時折、
「う~う~う~……」と妙なうなり声が聞こえるようになりました。
犯人は蛍光灯の安定器。
夜中に聞くと、まるで家そのものがため息をついているようですし、
耳鳴りがひどくなってきたような気分にさせられます。
電気代も高くなったし、設備もかなりの高齢化。
「よし、やるか」ということで、財布の紐を緩めることにしました。
ところが、工事そのものより悩んだのがLEDの色です。
電球色、昼白色、昼光色。
どれにするかで、家の雰囲気はずいぶん変わります。
今まで使っていたのは昼白色でしたし、不満もありません。
けれど、夕方仕事を終えて家路につく時、いつも気になっていた光があります。
近所のマンションの窓から漏れる電球色の灯りです。
なんだか懐かしい。
子どもの頃の記憶を呼び起こすような、あの色です。
どうせなら全部電球色にして、昭和に帰ってみようかな、
そんなことを考えていました。
とはいえ、自分一人で決められる話でもありません。
母は卒寿を迎えた今も大のテレビ好き。
韓流ドラマやバラエティ番組を毎日の楽しみにしています。
「テレビが友達だからね」そう言われると、
確かにテレビを見るなら昼白色や昼光色の方が見やすい気もします。
そこで今回は調光機能付きの照明を選びました。
母の気分次第で色を変えられる作戦です。
工事が終わった当初、母は少々ご不満でした。
「電球色って赤っぽいし、テレビが見づらいね」
そう言いながら昼光色ばかり使っていました。
ところが数日後。
気が付くと電球色の時間が増えています。
そして、「やっぱりこっちの方が落ち着くね」とのこと。
人間というのは面白いものです。
慣れ親しんだ光の記憶が、身体のどこかに残っているのだと思います。
やっぱり母も昭和の人なんですよね(笑)

私自身も仕事部屋では昼光色を使っています。
パソコン作業や書類仕事には、やはり頭がシャキッとする光が向いています。
でも居間は違います。
ほぼ電球色のままです。
夕暮れ時、掃き出し窓を開ける、風が通り抜ける。
少しずつ暗くなっていく空を眺める。
その時間を電球色の灯りの中で過ごしていると、
不思議と心がほどけていくような気がします。
電球色には、昭和の香りがあります。
もちろん本当に香るわけではありません。
けれど、あの頃の団らんや安心感を思い出させてくれる何かがあります。
照明の色は、単なる見た目の違いではありません。
気分や集中力、眠気やくつろぎ感にも少なからず影響します。
だからこそ、仕事をする場所は昼光色。
日常生活は昼白色。
くつろぐ場所は電球色。
そんな使い分けも悪くないと思います。
最近思うのです。
今回のプチリフォームで電球色を選んだのは、仕事時間が減ったからなのか。
それとも、これから減らしたいと思っているからなのか。
若い頃は明るくて効率の良い光を求めていました。
でも今は少し違います。
効率よりも心地よさ、スピードよりも余白、そんなものを大切にしたくなっているのかもしれません。
人生の最終コーナーに差しかかった今、
昭和の癒やしの香りに包まれながら暮らしていくのも悪くないな。
そんなことを思う今日この頃です。




